国際空手道連盟 極真会館 東京城西国分寺支部

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もうひとつの独り言 2013年

2013.12.20

第八十九回 じぇじぇじぇ!

なんで今ごろ「じぇじぇじぇ!」なんだ、というツッコミはおさえていただきたい。
 NHKの朝の連続テレビ小説『あまちゃん』は、とっくに終わっている。しかも筆者は観ていなかった。観ていなかったが、実家に帰った時にちょっとだけ観たら、なんとなく面白そうだったので、10月に放送された『あまちゃん 総集編』を録画し、ずっと放置していて、先日やっと視聴したのである。
 ついでに言うと、現在の筆者は仕事でエネルギーを放出して帰ると、ぐったりして、もうそれから持ち帰った仕事などをする気力はない。で、もっぱら飲食しながら必殺シリーズ等のDVDを観て過ごしている。つまり、夜は受け身になっているわけだ。

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2013.12.12

第八十八回 過去問の季節

塾講師の仕事には無償奉仕が多い。現在、中学受験生(小6)の過去問の持ち帰り添削をしているが、タダ働きのわりに忙殺されている。過去問というのは、文字どおり、志望校別に過去の入試問題をまとめた問題集が市販されていて、生徒は自分が受験する学校の問題集を買い、解いて、見てほしいと言ってくるのである。
 質問の箇所は、たいてい「○○字以内で答えなさい」と文を書いて答えさせる記述問題である。生徒は模範解答を見ても、自分の答が正解かどうか判断がつかないが、自分たち先生は、どこを押さえていればいいかというアドバイスができる。模範解答というのは、あくまでも模範であって、絶対解答ではないのである(中には「模範」とは思えないものもある)。
 記述でなくても、国語は一瞬で解けるものではなく、まず長文を読まなければならないので、それなりの時間はかかる。それから、解く手順を赤ペンでびっしりと書いていく。

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2013.12.5

第八十七回 冬がまた来る

街をゆき 子供の傍(そば)を通るとき 蜜柑の香せり 冬がまた来る

 これは、木下利玄の短歌である。「香せり」というからには、つんと酸っぱい香りのするような、まだ青い蜜柑のことだろう。この短歌が国語の問題に使われると、「冬」のところが空らんになっていて、そこに季節を表す語を当てはめなさい、と問われたりする。
 たまに「夏みかんっていうから、夏だ!」と答える子がいるが、わざわざ「夏」をつけるからには、それが柑橘系の中でも別種の果実であるからで、普通のみかんがお正月の餅の一番上に乗っているのを思い出せば、冬の季語であることは簡単にわかる(注・ただし、正月の風物は春〈新年〉の季語になる)。

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2013.11.28

第八十六回 最高のラストシーン

 今回は、不朽の名作映画『ゴッドファーザー』について書く。
 ご覧になって「いない」方はいらっしゃるだろうか。マフィアの抗争を描いた暴力映画と断じるのは早計であり、誤解である。筆者は、映画があまりに良かったから、マリオ・プーゾの原作(早川書房版)にも手を伸ばしたのだが、小説はやはり事細かに書かれていて、とくに「馬の首」のあたりの事情はよくわかった。
 もちろん、映画の完成度もハンパではない。よくこれほどの作品ができあがったものだと思う。というか、最高である。フランシス・F・コッポラは、この一作だけで映画史に永久に残る監督といえるであろう。

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2013.11.21

第八十五回 棒立ち小僧、走る!

シュンの担当が他の先生に代わってからは、余裕をもって彼の粗忽ぶりを受けとめられるようになった。
 いわば「おばあちゃんの立場」である。親の立場なら責任があるので、志望校に合格させるための指導をしていかなければならないが、別のクラスにいけば、他人事として彼のキャラクターを楽しめるようになる。そうなると、シュンは問題児にはちがいなかったが、子どもらしくてかわいいところはあった。
 筆者が彼のことを面白がっているので、同じ学校に通っている子が、学校での情報を伝えてくれる。

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2013.11.14

第八十四回 こんなやつがいた

シュンというやつがいた。いた、というのは筆者の交流圏内のことで、今でもどこかで生きている(はずだ)。どこかで鼻水を垂らしていることだろう、と思って年齢を数えてみると、もう成人していた。
 あのシュンでも大人になるのだ。誰かって、過去に受け持っていた生徒(もちろん仮名)のことである。
 このシュン、5年生の時は筆者が担当していたのだが、生徒の人数が増えてクラスを増設することになり、彼は当然、下のクラスになった。

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2013.11.7

第八十三回 全日本大会を観戦

今年も第45回オープントーナメント全日本空手道選手権大会が開催された。出場された選手の方々、お疲れさまでした。会場は、去年の両国国技館から変わって東京体育館。初日は仕事で行けず、筆者が会場に足を運んだのは、2日目の11月3日だけである。
 開会式では、松井館長が原稿を手にせずスピーチをされていた。

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2013.10.31

第八十二回 絢爛たる魔人たち

ランニングの途中で、これまでに何度か江口師範とすれちがったことがある。
 キイィィインン…とジェット機が通過したような、あるいはフウゥゥウンン…とF1が走り去ったような感じで、とんでもなく速い。まるで超人さながらの走りだが、超人といえば江口師範の大胸筋はバロム1の上半身を連想させる。「バロム1って何だ?」と若い読者は思うだろう。

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2013.10.25

第八十一回 POINT OF NO RETURN

極真会館で空手の修行をしている我々は、しかし、ただ突き方や蹴り方や防御といった空手の技術ばかりを学んでいるわけではないはずだ。武道をやっているのだから、精神面での成長をうながされる出来事が否応なくある。
 たとえば試合、たとえば審査、そして普段の稽古を通して、きついとか怖いとか痛いとか、日常では経験しないような試練に直面し、なおかつそれが避けられない、という局面だ。
 サブタイトルの『POINT OF NO RETURN』は、直訳すれば「帰還不可能点」。ここからは、もう引き返せない、という地点のことである。

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2013.10.18

第八十回 国分寺北口慕情

道場の最寄り駅、JR国分寺駅の北口が広くなっている。階段を下りた駅前が風とおしのいい空き地に変わり、フェンスで囲われていたりなんかする。
 駅前だけではない。ちょっと歩けばあちこちに空き地が見られ、パワーシャベルが土を掘り起こし、大型トラックが行き来している。
 ご存知、国分寺北口再開発のあおりである。

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2013.10.11

第七十九回 真っ赤な秋

昔は「体育の日」といえば10月10日だった。東京オリンピックが開催された日にちなんでのことらしいが、それなら7年後にも、また新しく祝日が制定されるのだろうか。
 この時期はスポーツの行事にちょうどいい気候なので、多くの学校で運動会がおこなわれる。筆者は小学4年で兵庫県の西宮市に引っ越したが、西宮の小学校では、「小体連」(たぶん「小学校体育連合」)といった組織に加盟している学校が甲子園球場に集まり、組み体操をするのが秋の恒例行事となっていた。

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2013.10.4

第七十八回 ゼロの夏

去年の夏前の当ブログで、筆者はもう何年も映画を観に行っていないという話を書いたが、今年の夏、ようやく久々に映画館に足を運んだ。
 観た映画は『風立ちぬ』である。宮崎駿監督の作品は、過去に『ラピュタ』と『もののけ姫』と『ハウルの動く城』を映画館で観ているが、『千と千尋』や『ポニョ』などは、機会をのがしていまだに観ていない。
 今回の『風立ちぬ』は、零戦をつくった堀越二郎と、同名小説の作者である堀辰雄へのオマージュでもあり、一人でもいくつもりだったが、和歌山の実家に帰省する時期と重なったので、三人の姪を連れて観にいった。

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2013.9.26

第七十七回 メディアによるトラウマ ベスト3

夏ごろ、ちまたで話題になっていた『はだしのゲン』は、筆者も小学校3、4年のころに読んだ。今読んだら別の感想があるかもしれないが、当時はショックのあまり、夜になかなか寝つけなかった記憶がある。米ソ間の核戦争をテーマにした映画『ザ・デイ・アフター』を観た時は、アメリカはこんな程度のもので震えあがっているのか、と鼻白んだくらいだ。
 その後アニメ化された『~ゲン』は観ていない。観る勇気がないのである。

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2013.9.20

第七十六回 少年の旅立ち 

先日、伝説の国語教師と呼ばれる先生が101歳で亡くなったというニュースを聞いたが、その先生は中勘助の『銀の匙』を3年間かけて読み込んでいくという、一風変わった授業をされていたらしい。私立中学校ならではの教育で、塾ではとても実行できないが、教材が『銀の匙』であることに興味を惹かれた。じっくり読み込むには、たしかに最高の選書ではないかと思う。

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2013.9.12

第七十五回 号外です! 

9月8日、日曜日。JRのある駅の構内で号外を受けとった。
 号外、という言葉に一種不穏な響きを覚えるのは筆者だけだろうか。
 緊急事態発生! 臨時ニュースをお知らせします! という、ただならぬ気配を感じる。筆者の中で、号外というのは、たとえば戦争が起こった時などに出されるイメージが強い。
 今までに号外を受けとったのは一度だけ。1991年、湾岸戦争で地上戦が勃発した時だった。どこかの駅の売店に置かれていたので取っていった。もちろん無料である。

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2013.9.6

第七十四回 夜店にて 

前々回『4つの太陽』の内容で、A二段に対して失礼だとか、ふざけているとか、顰蹙を買っているとの声を聞くこともあるが、とんでもない誤解である。前々回に限らず、このブログで書いていることなど、まず戯れ言なのである。まさか本気にする人はいないだろうと思っていたので、こちらも意識していなかった。読者の方は、どうかあまり大真面目に受けとらず、さらっと流していただきたいが、そうもいかないのだろうか。
 では、無難なネタは何かというと、筆者の「子ども時代」に関するものだろう。おバカな内容だし、昔のことだから、こんなに無難な内容はない。

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2013.8.29

第七十三回 真夏の死 

サブタイトルをご覧になって、三島由紀夫の短編を連想された方は、おそらく文学マニアであろう。だが、同タイトルの短編集『真夏の死』の表題作とは関係がない。
 三島ではなく、ドロンである。
 アラン・ドロン。かつて美男の代名詞とさえ言われた彼の出演作を、今年は立て続けに観る機会があったので、そのことを書いておきたくなった。

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2013.8.23

第七十二回 4つの太陽

太陽が4個もあるなら、『スター・ウォーズ』の砂漠の惑星タトゥーインより多いではないか。って、なんの話かといえば、猛暑日に走ったときに見下ろす武蔵国分寺公園の池や和歌山城のお堀などの水面のことである。
 4つどころじゃない。ギラギラと反射して、無数に散らばっている。太陽がいっぱい、とくりゃ、これはアラン・ドロンか。
 いや、本家ブログの江口師範の回を拝読し、日頃めったにそんなことをしない筆者も、ちょっと真似をして37度の日に走ってみたのだが、もう脳も体もオーバーヒートして、タマランチ会長。夕方なのに参った。参ったぞ、地元の刺田比古神社へ。……と、暑さのせいか今回は尻滅裂、いや、支離滅裂です。

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2013.8.9

第七十一回 2013年、夏合宿(後編)

気を引き締めて臨むべき夏合宿だが、ハードスケジュールの最中にいる筆者は、東京を離れて空手仲間とすごす1泊2日に、正直、解放感も感じていた。
 初日の稽古で大量に汗をかき、風呂に入ってさっぱりすると、さっそくビールを飲んだ。失われた水分を、スポーツドリンクではなくビールで補おうとしたのである。夕食までに、2リットル以上も飲み、酒宴でも延々と飲みつづけ、翌朝は酒が抜けきっていないという始末。本多先生はスコッチの瓶を半分あけても、翌日は普通だったが、筆者はそんなにタフじゃない。自己管理という意味で、いかがなものかと思う。

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2013.8.1

第七十回 2013年、夏合宿(前編)

  今年の夏合宿は昨年と同じつくば山中の体育館で行われ、国分寺道場からは、カツイチ君やヤスオ君やサンローラ君も参加して、一年前より盛りあがったように思う。U太郎君やシオン君など、少年部からの参加もあった。
 ただし、比較的涼しかった去年に比べて、蒸し蒸しと湿度も高く暑かったので、江口師範の指揮の下、みっちりと基本や移動の稽古をすると、終わったころにはみんな水をかぶったように汗をかいていた。その後さらに1時間もスパーリングをしてヘロヘロになるが、普段とはちがって、いろんな道場のメンバーと稽古できる機会でもあった。

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2013.7.25

第六十九回 第3の少年 

前回のブログを書いたら、もうひとつ思い出したことがあった。
 中2の2学期末にもらった通知表のことである。筆者は、中学2年の夏に転校しているので、転校先の学校で初めて渡された通知表ということになる。
 いまだに、それを広げて見たときの衝撃が忘れられない。

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2013.7.18

第六十八回 氏村は「できる」小学生だった!?  

夏休みが目前に迫ったこの時期は、子どもたちの気持ちもうわついている。
 終業式の日は嬉しいものだ。ふり返ってみると、筆者は終業式に夏休みの宿題をもらうことさえイヤではなかった。もちろん宿題をするのが嬉しかったのではない。それらの教材を手にすることで、「夏休みがきた」という実感が得られたからである。
 通知表も渡されたが、小学校低学年のころは、たしか「よい・ふつう・がんばろう」の三段階だった。

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2013.7.11

第六十七回 極真の大先輩 

『新必殺仕置人』で山崎努のことを書いたら、なぜか千葉真一のことにも触れたくなった。現在、サニー千葉と改名されているようだが、この場では、昔からの千葉真一という表記で通したい。
 千葉真一といえば演じた役は限りないが、その中でも『影の軍団』シリーズの伊賀忍群の頭領、服部半蔵。そして『柳生一族の陰謀』などで演じた柳生十兵衛が、筆者としては印象深い。とくに柳生十兵衛の役は「特級」だと思う。

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2013.7.4

第六十六回 説明無用(後) 

 前期必殺シリーズのいいところは、各作品がそれぞれ強い個性を放っていて、まったく型にとらわれていないところだ。こういうのが今受けているから同じような路線で……といったマーケティングなど、はなっから頭になかったのではないか。
『新必殺仕置人』は遊び心が満載の作品で、途中から「屋根の男」というキャラクターまで登場する。赤ふんどし一丁の裸で、高台に張り渡した板に腰かけ、何もつけていない釣り竿をずっと垂らしている、ちょっと頭の弱そうな役だ。実は最終回で正体が明かされるのだが、ストーリーには関係のない彼が、毎回なにか珍ゼリフを口にするのだから、スタッフまで遊んでいる。その遊び心が、ハードな展開がありながらも作品のカラーを明るくしていると思う。

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2013.6.27

第六十五回 説明無用(中) 

 重要なことを書いていなかった。従来の必殺シリーズとちがって、『新・仕置人』には、作品全体の大がかりな設定がある。
 それは、「寅の会」という仕置人ギルドの存在だ。表向きは俳句を読む集まりをよそおい、その実、仕置人の元締・寅(元阪神タイガースの藤村富美男)が依頼人から受けた殺しを競りにかけ、集まった仕置人たちが競り落とすという仕組みになっているのだ。寅の会には、それぞれのグループの一人が代表として参加している。

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2013.6.20

第六十四回 説明無用(前) 

複数の才能が結集し、偶発的にも神がかった傑作が生まれる、ということがあるらしい。
 なにがって、必殺シリーズ第10作『新必殺仕置人』のことである。
 必殺ファンのあいだでも、シリーズ最高傑作との呼び声が高い作品だが、筆者としては必殺シリーズどころか、いや時代劇どころか、いやいやテレビドラマ史上でのベスト作品ではないかと(自分の中では)位置づけている。観ていると、位置づけたくもなるのだ。

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2013.6.14

第六十三回 授業参観日の忘れ物 

やれ「テキストを忘れました」とか「筆箱を忘れました」などと言って生徒が忘れ物をしてきたら、当然、呆れる。(まったく、テニスをする時にラケットを忘れるのかねえ。剣道をするのに竹刀を持たないのかねえ)と思うのだが、考えてみると人のことは言えない。
 自分だって、空手の稽古をやりに道場へ行きながら帯を忘れていった経験がある。このときは江口師範に「じゃあ、僕の帯を使ってください」と完璧な切り返しをされた。
 

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第六十二回 神か悪魔かデ・ニーロか 

ロバート・デ・ニーロ。
 その名前は、数ある映画俳優の中でも特別な輝きを放っている。畏敬という言葉があるが、筆者などは文字どおり「畏れの入りまじった尊敬」を覚えるのである。
 デ・ニーロはとくに目立つ外見をしているわけではない。顔だちは整っているが、女性受けする美男の俳優なら、ハリウッドにはゴマンといる。身長もごく平均的だろう。
 

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第六十一回 鋼の尻を持つ男 

何年か前に、フィットネス・クラブの体験で、ウエイト・トレーニングの各マシンを使用したことがある。
 極真の大会に出場する選手なら、ウエイト・トレーニングは必須であろう。だが、筆者などは、そんなレベルではない。筋トレの延長ぐらいの感覚でしかなかった。
 

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第六十回 オススメの一冊とは? 

オススメの一冊とは?たまに保護者の方から、子どもに読ませるのに何かいい本はありませんか、と訊かれることがある。小学生の生徒本人から求められることもあり、真面目に答えようとすると迷ってしまう。本音を言うなら「自分で見つけてくれ」というのがその返答である。

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第五十九回 無料でも高いと思うこと 

今回、あまり愉快な内容ではない。というのは、また引き抜きの噂を耳にしたので、そのことについて触れてみようと思うからである。

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第五十八回 南半球からの来訪者たち 




5月2日、GW中の木曜日。ニュージーランド支部の方々が国分寺道場を来訪された。

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2013.5.2

第五十七回 最強の敵、その名は…… 

筆者は今、最強の敵に直面している。とんでもない奴が目の前に立ちはだかっているのである。
 その男の名は……。

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2013.4.26

第五十六回 一期一会の昼ビール 

四国を旅していたときの話である。
 4月中旬のその日は、夏のように暑かった。高知県の塚地という辺りで、トンネルの手前に塚地休憩所というのがあり、自販機の前でジュースを買おうとしていると、おばちゃんが飛び出して来て「お冷やを出すから休んでいきなさい」と言ってくれた。

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2013.4.18

第五十五回 春はタケノコを拾って

和歌山市の郊外に、大池遊園と呼ばれる公園がある。
 公園、としかいいようがないのは、大きな緑色の池が広がっていて、個性的な橋が架かっていたり、ボート遊びができたりするのだが、ほかに遊具があるわけでもないからだ。桜と紅葉の名所で、春先や秋には観光に訪れる人が多いらしい。

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2013.4.13

第五十四回 ○○が放送禁止になった理由

天野ミチヒロさんの新刊『蘇る封印映像』が刊行された。

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2013.3.29

第五十三回 どたんば勝負

 必殺シリーズはやはり前期がいい。とくに秀逸なのが、第5作『必殺必中仕事屋稼業』。大富豪の元締がおせい(草笛光子)。おせいの依頼で殺しを請け負うのが、半兵衛(緒形拳)と政吉(林隆三)である。この政吉が、実は幼いころに生き別れになったおせいの息子であることが、第一話のラストでほのめかされる。

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2013.3.21

第五十二回 ハードボイルドの一言(後編)

以前、道場のある先生から「最近どうですか、仕事は?」ときかれ、筆者はそのとき非常に忙しい時期だったので、「いや~、仕事仕事の必殺仕事人ですよ」と冗談まじりに答えると、「必殺!……カナラズ・コロス……ですか」と返された。

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2013.3.14

第五十一回 ハードボイルドの一言(前編)

ずいぶん前のことだが、電車に乗っていると、ちょっと頭の弱いオジサンが車両の中を歩きながら何やらつぶやいていた。
「中村吉衛門、中村勘三郎、中村メイコ、中村玉緒…」
 と、なぜか中村姓の有名人の名をあげながら歩いていく。

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2013.3.7

第五十回 1周年

前回のブログで、筆者が師範と同じ距離を走っていると誤解されているなら、とんでもないことである。同じなのはコースだけであって、筆者の走行距離はもっと短いです、と訂正。
 さて、3月に入って温かくなったが、これからは黄砂の季節でもあるので、ますます中華人民共和国から飛んでくる汚染物質の被害が大きくなるだろう。まったく迷惑なことこの上ない。

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2013.2.28

第四十九回 鍛錬は孤独に

冬枯れの武蔵国分寺公園。一周500メートルの円形広場のふちを2周まわって(自宅および道場に)戻ってくるのが筆者のランニングコース。この道を、道場生のHさんといっしょに走ろうという話があったのだが、結局は筆者が膝を痛めたことで延期になり、お流れとなった。

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2013.2.22

第四十八回 断続も力なり

 このブログで殊勝なことを書くと、まるで運命の神に試練を与えられるかのように、覚悟を試されるようなことが起こるので困る。
 たとえば、「自分で決めた日課はなにがあっても(熱があっても)こなす」ということを書いたら、その直後、12月に体をこわして寝込んでしまった。2日間なにも食べられなくて、稽古も休んだ。たぶんノロウイルスだったと思う。

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2013.2.14

第四十七回 思い出の2月14日

どこでもそうなのだろうか。筆者が通っていた高校では、毎年2月14日に、もうすぐ卒業する3年生を送り出すための予選会というイベントがあった。その日は授業がなく、全校生徒が体育館に集まって、2年生の出し物を見物するのである。

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2013.2.7

第四十六回 神と悪魔がせめぎ合う

前回「生徒から学ぶことがある」と書いたが、これはきれい事でもなんでもなく、言葉どおりの事実である。
 受け持ちの子どもたちの面倒をずっと見てきたうえで、入試の結果を知ると、どういう子が成功し、どういう子が失敗するか、そこに法則のようなものが見えてくる。

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2013.2.1

第四十五回 教える側が学ぶこと

現在、筆者の意識は中学受験のことで大きく占められており、このブログも受験関連の内容が続いているが、なにぶん1年間の仕事の総決算のような時期にきているのだから、ご了承していただきたく思う。
 今回は講師の経験で、ひとつ思い出したことを書く(分量は2回分になります)。

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2013.1.25

第四十四回 危機に立つ小学生 

押忍、6時起きでも仕事が回らないので、ついに5時起きに切りかえた氏村です。忙しいのは、やることを抱えすぎた自分のせいだけど、この状況がいつまでつづくのやら。
 答、2月のあたま。なんでか、中学受験が終わるから。

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2013.1.18

第四十三回 演歌の季節 

最近のこのブログ、空手の話から遠ざかっているとは感じているのだが、そうでないと続かないから、いたしかたなしだ。
 というわけで、高倉健が主演の『駅 STATION』。筆者は市販のDVDを持っているのだが、倉本聰の脚本と健さんの演技がよくて、何度観ても飽きない。映画の中で、音楽の果たす役割が大きいことは言うまでもないが、この作品では八代亜紀の『舟唄』がテレビを通して流れるという、ちょっと変わった使われ方をしている。その『舟唄』がまたいいのである。寒い季節には、しんみりとした演歌がよく似合う。

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2013.1.11

第四十二回 2013年をどんな年にするか 

ジョージ・オーウェルという作家の著作に『一九八四年』というSFがある。なんでも全体主義社会と化した不気味な「近未来」を描いた作品であるらしい。
 刊行されたのは1949年。筆者は未読なのだが、「近未来」といっても、1984年はとうに過ぎ去ってしまった。近未来を描いたSF作品には、小説・映画・漫画を問わず、こういうことが宿命的にある。

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