2021/12/31
空手と全く関係ないYouTubeチャンネル


押忍。八王子みなみ野道場の戸谷です。

突然ですが、昨今、YouTubeチャンネルもありとあらゆるジャンルが網羅されていますね。
格闘技・トレーニング関連の動画も非常に充実しているというか、もはや完全に飽和状態。「腹筋を割る」という動画だけでも星の数ほどあるので、全部実行したら腹筋は粉々になっているかと思います。
というわけで、今回はあえて空手とは全く関係ない、普段自分がボケーっと見ているYouTubeチャンネルを取り上げていきます。
何かしら挫折を経験している人の言葉に魅力を感じるので、おっさんが1人で自分語りしているような動画ばかり見ている気がします。


『岡本吉起 ゲームch』
ゲーム業界の大御所プロデューサー、岡本吉起さんのチャンネルです。
岡本さんは元カプコン専務取締役で、現在でらゲーという会社の顔役プロデューサーとして活躍されています。
カプコンで数々のヒット作に携わり30代半ばにして専務取締役開発本部長に就任。
しかし、カプコン退社後に立ち上げたゲーム開発会社ゲームリパブリックが経営難に陥り、個人で17億円の負債を抱えることになりました。
その後ミクシィと手を組みモンスターストライクをリリースしてゲーム史に残る大ヒットを記録。現在は億万長者…という非常に波乱万丈な人生を送っている方です。
岡本さんのチャンネルでは自身が経験した苦労話、ゲーム業界の四方山話、ビジネス指南等々が、クリエイターとして経営者として、第一線で闘い続けてきた方ならではの視点で語られています。(最近チャンネルを分割して一部動画のアップロード時期と再生数がリセットされています)
いわゆる成功者と呼ばれる人の自分語りって「そりゃ実績の裏付けありますから何言っても全部"正論"になっちゃいますよね」と思わされることが多いのですが、岡本さんの場合は成功者ならではの勝ち逃げの空気がなく、「今の自分がこれから何をできるか」「後の世代に何を残せるか」という考えがベースにあってとても好感が持てます。
ちなみに岡本さんは「YouTubeばっか見とっても何も残らんでしょ。本を読んでください。論文を読める人になってください」とおっしゃっています。すんませんYouTubeばっか見とって…


「褒めて伸びる・叱って伸びる説は間違いだった!?【人材育成論】」
結論としては「対等な立場として部下や後輩に対して感謝を伝えるのがいいのではないか」という話です。
会社の人材育成と空手の指導では話が違いますが、アプローチとして非常に参考にしています。


「【ゲーム業界】才能の無い子が有名ゲーム会社に就職するには?(大手・中小企業)」
ゲーム業界にクリエイターとして就職する厳しさが具体的に語られています。
何らかの一芸を生業にする他の業界にも言えますが、「好きなことを仕事にする」道のりはまさに至難です。


「全社員を一斉解雇?ゲームリパブリック崩壊の全貌をお話します。」
岡本さんご自身が多額の負債を抱えていた際の苦労話です。
他の動画で借金や鬱病で悩まされたときの対処などを語っているものもあります。


『宋世羅の羅針盤ちゃんねる』
保険営業マンの宋世羅(そんせら)さんのチャンネルです。
宋さんは、高校卒業後二浪をして早稲田大学に入学、早稲田大学野球部に一般入試組として入部し壮絶なシゴキに耐え抜きます。そして新卒で入った野村證券で営業マンとして4年を経験したのち退社、以後フリーのフルコミッション保険営業マンとして活動されています。
金融商品を取り扱っている営業マンのチャンネルというと、ガチガチに視聴者に投資を煽りまくるんじゃないかと思ってしまいそうですが、全くそんなことはありません。むしろ、無闇に投資を煽るようなネットの情報などはバッサリと「ダメだ」と切り捨てています。
宋さんのチャンネルでは、一般人が金融商品と向き合う際に抑えておくべきものの考え方、営業経験で培われた対人アプローチの仕方、どういう社会人がカッコ良いのか・悪いのかという価値観の話、などがユーモアを多分にまじえて語られています。
いずれの話もただのよくまとまった一般論で終わらせるのではなく、宋さん自身の経験から「こういうのはダメだと思います」「逆にこういう場面でこういう風に振舞うのが良いんじゃないでしょうか」と具体的に踏み込んで語っていくのが非常に面白いです。


「積み上げるのか、補うのか。【積み上げ型・逆算型】」
物事の努力の仕方全般の話です。これは個人的にかなり耳が痛いです。
「積み上げ型のアプローチしかできない人は結果に結びつきにくい」。


「その売り方、押し売りです。」
営業のやり方に関する話ではありますが、空手の指導をする上でも大事なことだと思っています。
練習メニューを課す、スケジュールを空手に使ってもらう上でも「ニーズ喚起せぇ」と。


「自己紹介します。」
治安の悪かった中学時代→青春爆発の高校時代→一念発起の浪人時代→地獄の上下関係早稲田大学野球部時代→ド挫折した野村證券時代
その時々のご本人のエピソードが赤裸々に語られています。


『Fラン大学就職チャンネル』
キャリアコンサルタントのエフさんのチャンネルです。
チャンネル名があまりにもあんまりな感じがしますが、どの動画も非常によくできた内容です。
エフさんは元々学生の就職支援をされていた方で、現在もキャリアコンサルタントとして活動されています。
いわゆるFラン大学(四年制低偏差値大学)の学生の就職活動が難航する様子を実際に数多く目にしてきて、それを四方山話として動画に取り上げたのを切っ掛けにYouTuberとして活動するようになりました。
就職関連だけでなく、現代社会全般の話を時事ネタをまじえつつショートストーリー形式で動画にしています(用いられている画像素材はほぼ全ていらすとやです)。パロディ、ファンタジー、SF、と、アプローチは様々です。
自己認識の甘い人をシニカルに描いた動画が多いのですが、ただの皮肉で終わらずに「真っ当に生きてこうや」という芯を強く感じるのがとても好きです。
最新の動画ほどネタとしての面白さやただの訓話で終わらない工夫が利いている気がします。


「ポストイットマン」
SNSなどにも金言は溢れていますが、"自分自身"がないとそれらを咀嚼できないという話です。
言葉そのものの是非以前に、受け取り手のあり方がまず大事ですね。


「エリートと底辺」
初手から皮肉たっぷりの内容なので見ていて不快に感じる方もいるかしれません。
最後にとんでもないオチが待っていますが、「それもたしかにある!」と思わされます。


「【1/7】Fラン大生就職物語【いらすとやドラマ】」
Fラン大生が大手企業に総合職就職を目指す…という全7話のドラマです。
第1話を見たときはピンときませんでしたが、最終話までいくと手に汗かきながら登場人物を応援してしまいました。


以上です。
あえて空手から離れた内容のものばかりチョイスしましたが、だからこそどの話も空手に携わる上でわりとフラットな形で役立たせることができるのではないかとも思っています。

空手関連のテクニック動画、ノウハウ動画も数多くありますが、あまり見過ぎると「誰を信用していいのか」「自分の解釈は合っているのか」「そもそも自分に合っているのか」と迷子になってしまいそうなので、そういった動画から得た情報は頭の片隅に置いておくくらいのスタンスがいいのかなと思っています。
まずは自分の直接の師匠・先生から教わったことを一生懸命実践して、たまたま見聞きしたそれ以外の情報は自分のやっていることにリンクすれば取り入れてみる、みたいなのが無難なんじゃないでしょうか。


…年末年始とは全く関係のないエントリーになってしまいました。
2022年も良い年にしていきましょう!(取って付けた感ありますが、本当にいい年にしていきましょう)