2019/12/1
世界大会!




八王子みなみ野道場、多摩境教室の戸谷です。

11月22日(金)〜11月24日(日)にかけて行われた世界大会およびワールドエリート大会が無事に終了しました!
今回の世界大会は、男子は16年ぶりの、女子は初めての日本人無差別級王者が誕生しました。


優勝した上田幹雄選手は本当に強かったですね。アンドレイ・ルジン選手があんなに一方的に押し込まれるのを見たことがありませんでした。
自国選手に不利な判定が下ると海外勢の応援団がブーイングをする中、上田選手の試合は会場の誰をも納得させる強さがありました。
前回大会では少年部時代からの組手を一般部向けに移行している途中で、身体も重量級にしたばかりでしたが、4年を経て全てが完成されていました。
試合後のインタビューも毅然としていて、立ち振る舞いから手本になってくれる素晴らしい世界チャンピオンでした。

決勝戦を闘ったアレクサンダー・イエロメンコ選手の闘志も凄まじかったです。
トゥセウ選手やザガイノフ選手と真っ向から打ち合い、準決勝では橋佑汰選手と再々延長まで闘い、その上で迎えた決勝戦では上田幹雄選手と再延長まで闘い抜くという、タフネスという言葉では済ませられない極真空手を象徴するような超人的な強さを見せてくれました。


個人的に、というか会場全体が密かに期待していたのは、身長210cm、体重145kg、ブラジルのイカロ・ナシメント選手ではないでしょうか。
最近では重量級の選手も動けることを前提とした体づくりをするので、120kgを超えるような超重量の選手はめったにいませんが、そんな規格や常識を完全に無視した超々大型選手でした。
それでいて試合が始まるとずっと動き続けられるスタミナの持ち主で、3回戦ではキリル・コチュネフ選手から技有りを取って完勝するという本物の化け物ぶりを見せてくれました。
昔、餓狼伝という格闘漫画に「どんなに鍛えた人間も羆には勝てねぇ。だったらなっちまえばいいんだよ、羆に」と豪語する大柄の空手家が登場しましたが、本当に羆が突進しているかのようでした。
あれで反則をしなくなったら凄く強いと思うのですが…4年後もまた見てみたいです。



女子では、なんと言っても準優勝に輝いた当支部の佐藤七海初段の活躍が素晴らしかったです!
準々決勝でのウリアナ・グレベンシコワ選手との闘いでは、応援国を問わず会場中から拍手が沸き起こっていました。
世界最強の攻撃力を持つ重量級のグレベンシコワ選手を相手に、軽量級の佐藤初段が紙一重でその攻撃を外し、フットワークの回転から打ち下ろしのパンチをフルスイングで入れ続けていました。
一度捕れば終わりとも思える嵐のような攻撃を捌き続ける佐藤初段の勇姿は、観戦している人たちに感動を与えていました。

世界大会に出場している全ての選手が一生懸命です。その覚悟や闘いぶりはどれも生半可なものではありません。それでも見ている人間全員を感動させるような試合をすることができる選手は一握りです。
佐藤初段の闘いぶりは3日間に渡る世界大会の中でも屈指の盛り上がりを見せていました。

佐藤初段は国際青少年大会を連覇している中高生時代から稽古に向ける真摯さ、試合に向ける覚悟が一流選手として出来上がっていました。
今こうして世界大会という檜舞台で多くの人を感動させる選手となり、同じ支部の人間として尊敬の念しかありません。
また、ここまで導いてきた江口師範、川嵜先生を始め、全日本コーチ陣や出稽古先の先生方のご尽力も並々ならぬものがあったことと思います。

決勝戦では永吉美優選手に再延長戦後の試割りで敗れてしまいましたが、昨年の全日本決勝で闘ったときとは違い、今回は互角以上の内容で勝ちに迫っていました。
優勝を現実的な目標としていた本人の悔しさは想像しきれるものではありません。
しかし、大会後、試合を見た人たちが、こちらから話を振るわけでもなく口々に「七海先輩すごかったです」と称賛していました。
堂々たる世界無差別級準優勝です。



改めまして、世界大会・ワールドエリート大会に出場した選手の皆さんはお疲れさまでした!
スタッフとして連日早くから遅くまで協力してくれた、池田さん、酒井さん、シュンタ君、レイ君もありがとうございました!
ワールドエリート大会や国際青少年大会に出場している少年部選手たちが、4年後8年後12年後の世界大会で活躍くれることを祈ります!