2017/6/15
市村直樹師範
押忍。八王子みなみ野道場、多摩境教室指導員の戸谷です。
去る5月19日(金)に城西下北沢支部支部長である市村直樹師範が逝去されました。
選手としては世界大会4回出場、全日本大会での数々の入賞実績を持ち、ご病気を患いながらも亡くなる直前まで現役を貫かれました。
城西国分寺支部は市村師範との御縁が深く、江口師範は市村師範に対して、先輩としてもコーチとしても戦友としても接してこられました。
市村師範も、支部長職に就かれてからも国分寺道場に通われ続け、稽古、合宿、地域のお祭りなど、行事をご一緒してくださっていました。
自分の口から市村師範に関してどうこう深く語るなどということはできませんが、江口師範を始め、大谷先生や川嵜先生など、ともに練習をし続けていた先生方からは常々市村師範のエピソードは聞かされてきました。
試合に臨む姿勢、稽古での有様、それ以外での破天荒さ、義理堅さ、どれもこれもが言い伝えになるようなものばかりで、「こんな途轍もない人が現実に、身近にいたのか」と思わされます。
個人的には、城西地区の会議などに出席したとき、各支部長の先生方が集まる中、所在のない自分に優しく話しかけてくださっていたのがとても有り難かったです。
話題は大抵漫画『グラップラー刃牙』関連で、刃牙マニアである自分に市村師範が今後の刃牙の展望を聞いてくるというものでした。
ご入院されてからは雑誌を買いに行けないということもあり、自分が「今週の刃牙の内容」を市村師範にメッセージで送っていました。
ご入院されたことは後輩である自分には伝えず、ただ「今週の刃牙、見ましたら内容教えていただきますでしょうか。押忍」とだけメッセージが来るので、自分もあえて体調には触れずにいました。
ご入院される直前まで八王子みなみ野道場にもいらしてくださり、かなり治療が苦しくなっているはずの今年2月まで自分とスパーリングをしてくださっていました。
やはり、練習中、ご病気のことは一切口になさりませんでした。本来は運動どころではなかったはずだったと思います。
しかしいざ始まれば的確に強かに闘われていました。あまりにも普通そうにされているのでこちらも「市村師範は絶対に治るんだ!」と思っていました。
周りに心配をかけさせない、やると決めたことをやり抜く、義理を通し続ける、本当に胆力の塊のような方でした。
生前、極微力ながらお手伝いできたことは光栄に思います。
市村直樹師範、誠にありがとうございました。
押忍。