2016/6/29
うどんのこころ



みなさん、お久しぶりです。
国立・日野豊田の小沢です。


梅雨だかなんだか、いまいち分からないような日々が続いていますが、みなさんお元気でしょうか。

ワタシは先日、なんか食中毒的な症状に見舞われてしまい、あまり元気ではありませんでした…

何が悪かったのかよくわからないんですが、とりあえずピーク時にはまあ上から下からみたいな、何も食べられない状態で、徐々に回復してくるにつれて何か食べてみようかな、でもあんまり重いモノは無理だな、というかんじになってきました。

そんな時はやはりうどんですね!

あの時2日ぶりの食事として国立の富士そばで食ったワカメうどんは、どこまでも優しくどこまでも温かく、ワタシの心と体にしみ込んでいったのでした…

思えば日本各地に様々なうどんがあり、またカレーうどんになってみたり焼きうどんになってみたり、色々なものを受け入れる度量というか、寛容性というか、うどんって実に素晴らしいと思います。

ずいぶん昔のことですが、一般部の合宿で群馬県の伊香保温泉に行ったとき、ホテルの夕食で、ご当地名物の水沢うどんが出てきました。
その時ホテルの人が
「水沢うどんは、香川の讃岐うどん、秋田の稲庭うどんと並んで、日本三大うどんの一つです!!」
と、誇らしげに言っていました。

ワタシはそのての豆知識みたいなのは大好きなので、ほほうなるほど! と思いました。

その翌年、今度は少年部の合宿の下見で山梨県の富士吉田市に行った時、地元のタクシーの運転手さんに、「富士吉田は吉田うどんが有名だよ!」 と熱烈に勧められ、実際とても美味しかったです。

しかし…運転手さんはその時、
「吉田のうどんは、西の讃岐・東の吉田、と並び称されておる!」
などとも言っていて、正直ワタシはうどん界がなんだかよくわからなくなってしまいました。

途方に暮れながらもとりあえずわかったのは、どうやら讃岐うどんは誰もが認めるNo. 1であるっぽいこと、そしておそらく香川の人は、日本三大ナンチャラとか西のナントカ東のナントカなどとは言わないであろう、ということでした。

でもその曖昧というかゆるいかんじも、なんだかうどんっぽいと思います。

と、いきなり真面目な話なんですが、最近特にネット界隈を中心として、何かと言っては他人を叩くというか、他者に対して著しく不寛容な風潮が目につくように思います。

もともと昔から日本人の国民性は、割と出る杭は叩くかんじだったりみんな一斉に同じ方向を向いたりという傾向ではあったとは思うんですが、それにしてもちょっと違和感を感じる時があります。

それは社会や大人だけでなく、道場の子どもたちにも、他人の欠点に目を向けて他者を認めたがらない、みたいな傾向を感じる時があります。

はたから見ればワタシ自身もそんな感じなのかもしれない、とか思ったりもするのですが、とりあえず道場というのは学びの場であるわけで、他者を肯定し認めることが出来なければ、そこからは何も学べず、何の進歩も成長もないわけで、色々なものを受け入れるうどんのような心を、常に持っていたいものだと思います。

……この辺の話の持っていきかたは、我ながらかなり無理矢理感があるとは思うんですが、みなさまもどうかうどんのこころで受け入れていただけますよう…


さて、最後にまた何本か動画を貼らせていただきます。

まずはムエタイの試合から。ムエタイ動画は膨大な試合数があって、しかもムエタイというのはチャンピオンやランキングが必ずしも強さの序列を反映しないことが多々ある、我がうどん界にも通ずる(?)混沌とした世界なので、どれを見たらいいか結構よくわからなかったりするのですが、わりとお気に入りの試合を。

最初は前にスパーリング動画を上げたパコーンと、セクサンという選手の試合です。
パコーンはバランスの良い激闘型の選手で、崩しやこかしの上手さにも定評があり、参考になるかと思います。
セクサンはイケイケの超激闘型で、すごく人気があります。
https://youtu.be/el4VsWMQBe0



次は同じく前にスパーリングを取り上げたセーンマニーというテクニシャンと、またセクサンの試合です。
奇しくも相手が両方セクサンなのは、要するにセクサンの試合は面白いということだと思います。
相性もあると思いますが、この試合のセーンマニーは反応・距離感・タイミングとも素晴らしく、ちょっと芸術的です。
https://youtu.be/gk8qAi1o7fQ

セーンマニーの崩しも参考になるかと思います。


次は、全然毛色が違って…
最近、誉田哲也さんの武士道シリーズという、剣道少女を描いた小説を読んだらえらい面白くて、現在ワタシの中でちょっとした剣道ブームが来てます。
で、これは2014年に佐賀県の小城市というところの市民体育大会で行われた、剣道vs薙刀の団体戦の動画です。
偉そうに剣道ブームがとか言いましたが、正直剣道の試合は速すぎて、ワタシのような素人にはよくわからないのですが、これは面白いです。
https://youtu.be/Cde13iv0QPs



そしてこれは、翌年、両陣営がそれぞれを研究して再戦した時のやつです。
前年より攻防がかみ合っていて何だかすごいかっこいいです!!
https://youtu.be/Yrke0c1TIYI



2本通して見て感じるのはまず、技術というのはルールによって作られる、という当たり前の事実です。
極真会館でも試合ルールが改定されました。これからどういった技術が進化していくのか、楽しみです。

そしてもうひとつは、剣道の人も薙刀の人も、お互いの特性を認識し相手の長所を認め受け入れることで、どちらも大いに得るものがあったのだろうな、ということです。
そうやって進歩発展していく…
素晴らしきうどんスタイルですね!

それではまた!!