2015/7/5
恐怖のアキレス腱固め



江口美幸です。いや、本当にふざけているわけじゃないんですよ。

何の話かと言いますと、関節技の稽古の時、私が「うわーっ」とか「ぎゃあー!」とか「いでい でででで」「だああー!ごめんなさーい!」とか絶叫しちゃってることです。

私だって、叫びたくて叫んでいるんじゃないんです。みっともないし、きっと技をかけている金 原先生だって(こいつ、うるせー)と思っているに違いない・・・。先生にすれば、軽く技をか けているのに、ぎゃあぎゃあ騒いでいる女。ああ嫌だなあ、恥ずかしい。

いつも、関節技の稽古の前に(今日は叫ばないようにしよう)と固く心に誓っているんです。技 を掛けられながら、黙ってそれに耐える私・・・というイメージトレーニングも、ばっちりして ます。でも結局途中で「ぎえー!!」という叫び声が道場に響きわたることになるんです。

脚の関節技が、とにかく怖いんですよ・・・。膝十時固めとかアンクルホールドとか。恐怖以外 の何物でもありません。その中でも「アキレス腱固め」をされたときのあの激痛!

先生は呆れたように「アキレス腱固めは、痛いだけで腱が切れるわけじゃないから、そんなに怖 がらなくていいですよ」と言うのですが・・・こんなに痛いのに、本当ですか?!私の頭の中に はどうしても「アキレス腱断裂」という文字が浮かんでしまうんですが?

第一、「痛いだけだから大丈夫」という言葉がもう、常識では、なんかおかしい気がします。

で、私の脳みその中に「恐怖のアキレス腱固め」というB級ホラー映画のタイトルのような言葉 がくっきりと刻まれたわけなんです。金原先生が「脚の関節技」というのを、説明するときに 「脚関」・・・アシカン、と言うのですが、それから「サバ缶」「かるかん」という言葉でも、 少しびくっとする私。

でも、そのアシカン以外にもですね・・・この間、先生が素早く後ろに回って、あら?と思った ときには、私の首はチョークスリーパーされてたんです。そのときは(ああ死ぬんだなあ)と素 直に思ってしまいました。

でも、もちろん先生は私を殺さずに、すぐに解いて、抜け方を私に丁寧に教えてくれました。そ の説明をはい、はい、と返事をして聞いていましたが、その間ずっと、私の眼の奥はじーんと熱 かったので、多分私は、泣く寸前だったのだと思います。脚も嫌だけど、首も嫌だー!怖いー! だから、関節技の稽古のときは、皆さん私に優しくしてください。あの時にせせら笑われたり舌 打ちされたり・・・なんか、そういうことでも、私の心は崩れ落ちると思う・・・。

金原先生も、ずーっと丁寧で優しく指導してくださってるけど、本当にこのままでいて欲し い・・・。何か先生の日常生活でトラブルがあって・・・水道の蛇口が壊れたとか隣の騒音で眠 れなかったりとか、そういうことがありませんように。それで苛々して稽古中にうるさい私に更 に苛々して、「何やってんだよ!」みたいに怒鳴られたら、私は間違いなく号泣します。

恐怖は人の心を弱らせます・・・。道場で号泣しないよう、今日も関節技稽古に向かう道すが ら、自分はゴルゴ13になるぞ、とイメージしているのです。声を出さなくて無表情。太い眉 毛・・・いや、眉毛は関係なかった。いやもうとにかく、頑張りまーす!