2014/12/12
映画『フェイシング・アリ』
押忍。八王子みなみ野道場の戸谷です。
一昨年(2012年)の夏になりますが、渋谷アップリンクで『フェイシング・アリ』という映画が公開されているので観に行きました。
伝説のボクサー、モハメド・アリの現役時代を、かつてアリと対戦したことのある10人のレジェンドたちがインタビュー形式で語っていくというドキュメント映画です。
本当に、劇画ように生き様そのもので戦ってきた人たちばかりが登場します。
階級社会イギリスで労働者階級から抜け出すためにボクシングで戦い抜いたサー・ヘンリー・クーパー。他に麻薬の売人か殺し屋しか食っていく道などなかったというアーニー・シェーバース。「早く母の下を離れたかった。ボクシングで強いやつに勝つと世界中を旅することができる」と自分の世界を拡げるために戦ったレオン・スピンクス。裕福で恵まれていたアリとは何から何まで対照的だったライバルのジョー・フレージャー。
苛烈な人生を送っていれば人格的にも"強い"というわけではありませんが、彼らの場合、ボクシングでの戦いがそのまま不遇との戦いに直結します。本当に全員試合も人生もタフに戦い抜いてきた男の風格があります。
一本調子でアリの偉大さを語るのではなく、アリと対等に戦ってきた男たちの生き様、その時代の空気を感じる作品で、とても感銘を受けました。
ボクシングで言えば今年9月にWBCフライ級タイトルマッチでローマン・ゴンサレス選手と八重樫東選手の試合が行われましたが、あの試合も熱かったですね。
八重樫選手は、何度ふらつきつつもパンチをもらった瞬間には鋭く返しを出し、やけっぱちではなく強かに肉を切らせて骨を断たんと打ち合いを続け、鬼気迫る戦いぶりを見せてくれました。
結果的にゴンザレス選手の9RTKO勝ちでしたが、あの試合はボクシングファンならずとも見ていて感動したのではないでしょうか。
空手、ボクシングに限らず、生き様そのものが戦っているような試合は胸を打ちますし、プロ・アマの違いはあれど、選手をやっている以上誰もがそのような試合をしたいと思っています。
『フェイシング・アリ』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=isZxiO2ee8s
Amazon等でDVDも販売しているので、気になった方はチェックしてみてください。