2013/3/22
涙腺壊れる





暖かくなってきましたね、江口美幸です。
最近、気づいたことがあります。それは「異常に涙もろくなってきた」ということです。
涙腺が、水道の蛇口みたいなものだとすると、開いた瞬間、噴水のように溢れ出し、「あわわ」と慌てているうちに蛇口自体がはずれてしまい制御不能になって、わあーもう止まらないよー誰か業者さんを呼んでー!!という感じなのです。

娘が観ているプリキュアシリーズで泣くのは、まあ仕方ないとしましょう。だってあの子達、人生で一番馬鹿な時期、中ニという時に、自分の命をかけて、仲間と地球を守るんです。荷が重過ぎるし、守られる方もハラハラしっぱなしでしょう。
しかし、この間、「ドラえもん」で泣いてしまい(映画でなくて、普通のテレビ番組の方)、まあ不朽の名作だから・・・と自分をごまかしていたら、この間NHKの、ほのぼの短編アニメ「花かっぱ」で泣いてしまいました。花かっぱとは、わんぱくな小学生の河童が主人公で、踊りながら「しゅんかしゅうとう(春夏秋冬)、あさひるばん、花さけかっぱ、うーん、開花!」と歌うと、頭のてっぺんに花が咲く、というストーリーです・・・って、これで泣くのはどうかしているでしょう、さすがに!

道場生にきいても、困ったように「おーす・・・」というばっかりだし、加圧のお客さんに訊いても「ドラえもんで泣くのお?」とか「花かっぱ?なにそれ?」とゲラゲラ笑われてしまい、やはり私はおかしいのか・・・何か精神の病気なのであろうか、と思っていましたら、最後に、三人のお子さんをお持ち(しかも全員年子!すごい!そして全員空手をやってくれてます)の岡部さんが「あら、泣くわよ。ドラえもんも花かっぱも。当たり前じゃない」と真顔で言われたので、ほっとしました。
そうか、やはり子供を何人か産むと、体がそうなるのか・・・そういえば私が質問した人は、岡部さん以外、皆、独身の人ばかりだった・・・。「言っとくけど、忍たま乱太郎でも、おじゃる丸でも、泣くわよ、私」と岡部さんは表情一つ変えずに言っておりました。よかった。

それで涙もろい人には保育園の行事もなかなかに大変で、発表会で泣き、運動会で泣き、そしてもうすぐ卒園式があります!毎年、卒園するのが自分の子供じゃなくても泣いちゃうんですよねえ。困った困った。
思えば一昔前、私が選手だった時、強くなるため、自分の体と心全てをコントロールしようと思い、「ゴルゴ13みたいになろう」と決意したこともあったのですが、あの時は一体何を考えていたのでしょうか。無理に決まってます。

卒園式の歌がまた泣けてしまうんです。「みんなありがとう、いつもありがとう・・・」という歌なんですが、優しくていい歌なんです。保育園の先生から「お母さん達も歌うので練習お願いします」とCDを貰ったのですが、泣いてしまって練習どころじゃない。「先生と別れるの辛いけど、だいじょうぶ」のところなんて、もうだめ、いけない、涙が・・・くうっ。
それを何日か前、一人の男性の加圧のお客さんに言ったら、なんとすごい偶然!「あっそれ、僕が作詞したんです」と言われたので、びっくりしました。
その人がベネッセのCMなどを作る仕事をしているのは知っていたのですが、まさか、あの歌を作った人がこんな近くにいたとは!

私は、汗をだらだら流しながらダンぺルを上げているその人の太い腕とか、短パンからにゅっと出ている熊さんのような太い足とかをじっと見て、ひげもじゃの顔を見て、それから、その人が、大量の煙草を吸いながら(ヘビースモーカーなので)、その歌を作っているところを、リアルに想像してみました。あんな繊細な歌を、この人が作ったのか・・・そうか・・・。
私はそのとき初めて、涙が、ひょいっと奥に引っ込んで、少しドライで爽やかな気持ちになりました。

よーし、ありがとうございます辺見さん!(作詞した人)あなたのお陰で、今年は乗り切れることが出来そうです!うん、私、頑張る!