すみません、また江口美幸です。
本当はうちのダンナさんの番なのですが、「ここ最近忙しいから、ちょっとだけ待って!」ということで、仕方ないので、私が2週続けて書くことにして、ダンナさんの締め切りを一週間だけ延ばしてあげました。まあ文章を書くのは嫌いじゃないから、いいですけどね、私はなんて優しいお嫁さんかしら。
というわけで、先週の続き、ハートキャッチ・プリキュアのことを書きます。
フリフリキラキラの可愛らしいドレス姿でぼこぼこに殴り合って悪と闘う乙女達。しかし途中で彼女達は「もっと自分達の力をレベルアップしないと、そのうち勝てなくなる」ということに気が付きます。空手でいうと、国内の試合ではそこそこ勝てていたのに、外国のワンマッチの試合に出たら、そのパワーにびっくり。なんとか勝ったけれど、これではトーナメントで勝てない!もっと力を付けなくては!ということに気づく・・・という感じでしょうか。
で、先週言った、16歳で空手全日本チャンプという恐るべき肩書を持ったおばあちゃん・・・変身すると、キュア・フラワーとなって若返り、この人もひらひらのドレスで闘うんですが、そのおばあちゃんに相談すると、「実は今までのプリキュアが何人も挑戦し、くぐり抜けてきた伝説の修行の場がある」と言われて、みんなでそこに向かいます。修行の場・・・私達でいうと、やはり三峰山でしょうか?
でも着いたところはきれいな西洋風のお城。ここで、皆は一人づつ、修行の場となる部屋に入ってゆきます。ここで出てきた敵と闘って勝ったら、今までとは比べ物にならない強さが手に入る、と聞かされています。
誰が出てくるか、と身構えて待っていると・・・何と出てきたのは、自分そっくりな人間なのです。驚いていると、そいつは、「私は、あなたがずっと見ないようにしている"私"よ」と言います。そう、そいつは、誰もが持っている、人間の裏の部分が形として出てきたものなのです。そして、攻撃しながら、一人一人の心の弱点を突いてくるのです。
おとなしい性格のキュア・ブロッサムに「あなたは、本当は怖いんでしょう?逃げたいんでしょう」とか、モデルの姉を持っているキュア・マリンに「あなたは、本当はお姉さんが嫌いでしょ?羨ましいんでしょ?」とか、言いながら殴ってくるのです。
心の弱点を突かれて「ううっ・・・」とひるむ主人公達・・・殴られ、弱ってゆきます。
部屋の外で待っているおばあちゃんが、呟きます。「醜い自分、弱い自分を見るのは辛いわ・・・でも、それを乗り越えなければ、本当の強さは手に入らないの・・・そう、一番の敵は、自分自身なのよ!」
ええ、私達夫婦は、この時もちろん、号泣していましたよ。
「深い!深すぎる!何て話なの!」
「この深い心理が幼稚園児にわかってたまるかあー、製作者のターゲット年齢は一体どこなんだあー」
と叫びながら、おいおい泣いていましたよ。
でも、主人公達は苦しみながらも闘ってゆき、最後はそのもう一人の醜い自分を殴り倒しながら叫ぶのです。「始めは確かにそうだった!今でもまだ怖い!でも今はそれ以上に、皆を守りたい!」「今は全てを受け入れる!」「私は今は、自分の意思で闘う!」
彼女達は自分の醜い部分を克服し、もう一人の自分を倒します。殴り倒されたもう一人の自分はぼろぼろになりゆっくり立ちあがり「もう私はいらないのね・・・」と言います。すると、主人公は、そのもう一人の自分を優しく抱き締め、言うのです。
「弱い私も、私なのよ・・・一緒に、強くなっていきましょう」
・・・これで泣かない人間がいたら、そりゃ心が曲がっているんですって、ええ!
私達夫婦は、娘が「はい」と渡してくれた手ぬぐいを涙でぐしゃぐしゃにしながら、
「そうなんだよなあー、本当の敵は自分自身の心なんだよなあー、極真の選手だって、それがわからない奴がいっぱいいるんだよー、俺も現役のとき、わかっていたかどうか・・・」
「我、他人に勝つ術を知らず。自分に勝つ術を知りたり!有名な剣豪が言ってたわあー、その闘いの真理を中学生がわかるとはっ・・・」
と溢れ出てくる涙が、感動で止まりませんでした。
どうです、私達がプリキュア好きなのは、致し方ないと思いませんか?強さとはなにかということを教えてくれる番組なのですよ。
機会があったらまた紹介したいと思います。・・・って、もういいって?はいでしゅー。(プリキュアに出てくる妖精の喋り方)