2010/5/24
マイノリティーの拳
南大沢・北野道場の川嵜です。
『マイノリティーの拳』を読みました。ホセ・トーレス、マイク・タイソン、アイラン・バークレイ、ティム・ウィザースプーン、ジョージ・フォアマン、というボクシングの、歴代ヘビー級チャンピオン5人の、影の部分を取り上げた作品です。
10代の頃にマイク・タイソンの無敵の強さに惹かれました。東京ドームで行われた、ジェイムス・ダグラスに敗れた試合を友人とテレビで観ていて、もの凄くショックを受けた事を覚えています。
空手を始めてからも、『チャンピオン伝説』というドキュメンタリービデオや、過去の名勝負をビデオで沢山見ました。
この作品では、チャンピオンを手にしながらも、決して恵まれることのないそれぞれのボクサーの葛藤やもがきが描かれています。
ヘビー級チャンピオンという一見華やかなタイトルを手にしても尚、貧しさを余儀なくされている事に驚きました。
本の最後にマービン・ハグラーの言葉で「・・・リングには本当の人生があるからね。向かい合う相手と自分しかいない。決して逃げられはしない。・・・そういう場所なんだよ。自信がなければリングでは勝てない。自信がない、という時点で、そのファイターは敗者さ。人生も同じだろうね」が心に染みました。
著者が私と同い年で、自らアメリカに渡り、10年かけてそれぞれのボクサーと関係を築き、取材をしてこの本を書き上げた事にも刺激を受けました。
興味のある方は読んでみてください。