2004/3/11(Thu)
〈ケンジバカ一代 第二部〉

〈前回のあらすじ〉 アンチ巨人の歯ごたえのない陸上部で入賞したことのなかったケンジであった・・・

 ケンジはズルズルと延長放送を繰り返すナイター中継がキライだった。そのかわりに、どんなに試合が盛り上っていてもどういうわけかスジ書きでもあるかのように時間内に終了するプロレスが大好きだった。ケンジの一番のお気に入りは「千の顔を持つ男、ミル・マスカラス」で、4才年上の兄とよくプロレスごっこをして遊んだ。最初のうちはケンジにマスカラス役をやらせてくれ、いろいろな技をかけさせてくれる兄だったが、
「ケンジ!それじゃきかねーよ!もっと足をこうして」とか
「そこはツボじゃネェ!きくのはココだ!」とか言いながら、いつも知らないうちに兄の技の実験台なってしまっていたケンジ小学2年のころだった・・・
この経験からケンジの幼な心に少しづつ強さに対するあこがれが芽生えはじめていた・・・
 兄の実験台にされたと言えば、ケンジの4才上のこの兄〈以下通称アキ兄ぃ(仮名)〉はよくケンジを実験台にした・・・・
 アキ兄ぃが中学生の頃といえばTV「スクール・ウォーズ」などに象徴されるように学校の荒廃、いわゆるツッパリや暴走族が全盛の頃だった。

髪を染め、ソリコミをきめたいアキ兄ぃは、しかし失敗したら恥ずかしいので、まず弟のケンジでそれらを試したのだ!
 ある日ケンジは学校から帰るとアキ兄ぃに頭から消毒液オキシドールをブッかけられた。ケンジはまだ小学生なのに・・・・・。
髪の毛を脱色された小学生ケンジ・・・・・・。
 次の日学校に行くと同級生たちから
「ケンちゃん 髪の毛ちょっと茶色いよ」とからかわれ、「変な病気になったんじゃないの?」とクラス全員にご心配をおかけしてしまった・・・
 またある時はアキ兄ぃが「カッコイイ ヘアースタイルにしてやる」と言って無理矢理ケンジのオデコにソリコミを入れてしまった・・・・ 左右アンバランスな鬼の角のようなソリコミ・・・・・。次の日ケンジは学校で同級生たちから
「ケンちゃん、何かオデコ スゲー広くなってるよ・・・・・  (^^;   」
「ケンちゃん ハゲちゃうの・・・・・  σ(^_^;)?   」又々クラス全員にご心配をおかけしてしまった・・・
〈強くなりたい!イヤなことはイヤだと言える自分になりたい!〉
 別にアキ兄ぃに激しくイジメられていたわけではなかったが、小学生の頃からケンジは普通の子供よりもより強く『強くなりたい』と願う子供になっていた・・・。
ちなみにアキ兄ぃは東大和高校の野球部で野球はうまかった。子供の頃よく
「ケンジ 野球やろーぜ!お前ピッチャーな!」
と言われケンジ、ずーっとバッティング投手・・・・・・・・お兄ちゃん打ちまくり、ケンジ球ひろいーの球投げーの、また打たれーの・・・ ※以下繰り返し・・・・・(夏休みなどはほぼ半日以上・・・)
このお陰かアキ兄ぃはピッチャーとしてもけっこう活躍。しかしその陰にはケンジの汗と涙が・・・。どこの家族でも弟とはこんな感じなのか・・・と思っていたら うちの師範は
「オメー なに言ってんだよ!そんなのイジメじゃねーよ!そんなんで『兄ちゃんにイジメられた』なんて言ってたらオレんちなんか虐待だよ!虐待!オレはなあ、兄ちゃんになぁ・・・」と言って遠ーくを見ていました。・・・・・・・人には触れちゃいけない過去がある・・・。目元にはうっすらと涙が・・・
 ちなみに川嵜先生は中学生の頃、小学生の弟の髪の毛に火をつけて遊んだそうです・・・・・。兄は『兄』と言うだけで弟に何をやっても許されるらしい・・・。
 とにもかくにも ケンジは「強くなりたい」と願う少年であった。この「強くなりたい」という願望がいつ「強くなる」という決意に変わったのか!それは次回のお楽しみ。では今回はこのへんで。おあとがよろしいようで
文中の写真と登場人物は関係ありません

〈ケンジバカ一代 第二部 完〉

さーて 来週のケンジさんは・・・?
「ケンジです。小学生の頃少年野球でキャッチャー以外のあらゆるポジションをやらされました。
でも強くなりたいと思いつづけていたので、高校生の時に寸止め空手を始めました。
なんとあの頃は「空手」は全部一緒だと思っていたんですなぁ。極真の「きょ」の字も知りませんでした。次回は
『お前球威ないからピッチャーダメだ!』
『体小さいからキャッチャーもダメだ!』
『ぅんじゃ もーいーよ!少年野球もーやめた』
の三本です。
 来週もまた見てね〜〜 うんがっふっふ」